タイでSEO対策する上で役に立つGoogleアナリティクスとは?
タイでウェブサイトを運営し、SEO(検索エンジン最適化)を成功させるためには、検索順位を上げるだけでなく、訪れたユーザーがどのような行動をとっているかを正確に把握する必要があります。
そこで欠かせないツールがGoogleアナリティクス(GA4)です。
本記事では、タイの市場特性を踏まえたGA4の活用法と、SEO成果を最大化するための分析ポイントを詳しく解説します。
Googleアナリティクス(GA4)とは?(まず定義)
Googleアナリティクス、通称GA4は、ウェブサイトに訪れたユーザーの行動を詳細に分析するためのツールです。検索エンジンからサイトへ流入した後の動きを可視化することで、サイトの課題や改善点を見つけ出すことができます。
一言でいうと「サイト内のユーザー行動を分析するツール」
GA4を活用することで、ユーザーが「どこから来たのか」という流入経路、サイト内の「どのページを見たのか」という回遊状況、そして最終的に「何をしたのか」という成果(コンバージョン)を網羅的に把握できます。SEOにおいては、単にアクセス数を増やすだけでなく、意図した通りの行動をユーザーがとっているかを確認するための指針となります。
UA(旧アナリティクス)との違いを最低限理解
以前のバージョンであるユニバーサルアナリティクス(UA)とGA4の最大の違いは、測定の考え方です。UAが「ページビュー」を基本単位としていたのに対し、GA4はユーザーのあらゆるアクションを「イベント」として捉える形式に変わりました。この変更により、クリックやスクロール、動画視聴といったより深い行動分析が可能になりましたが、SEOの成果を正しく測定するためには、自社のビジネスに合わせた初期設計の精度がこれまで以上に重要となっています。
なお、GA4は「どこを改善すべきか」を見つけるための道具なので、施策全体の当たりを付けてから使うと効果が出やすいです。タイSEOの全体像は 対策15選まとめ で整理しています。
なぜタイSEOでGA4が重要なのか
タイのインターネット環境やユーザー行動には、日本とは異なる独自の特徴があります。そのため、GA4による分析を行わずにSEOを進めると、実態とかけ離れた施策を行ってしまうリスクがあります。
タイは“検索→SNS→比較→LINE”の導線が多い
タイのユーザーは、Google検索だけで意思決定を完結させることは稀です。検索で情報を得た後、FacebookやTikTokで評判を確認し、さらに複数のサイトを比較した上で、最終的にLINEで問い合わせるという複雑な導線を辿ることが一般的です。SEO流入が「直接的な成約」に繋がらなくても、「認知」や「比較検討」の段階で重要な役割を果たしていることが多いため、GA4で流入経路を多角的に分析する必要があります。
モバイル比率が高く、離脱も起きやすい
タイは日本以上にモバイルファーストな社会であり、多くのユーザーがスマートフォンからアクセスします。モバイル回線の速度やデバイスの性能、画面の読みやすさが直球でユーザー行動に影響するため、GA4でデバイス別の行動を監視し、スマホユーザーがどこでストレスを感じて離脱しているかを突き止めることが改善の鍵となります。
多言語サイトは“ズレた流入”が起きやすい
タイで展開するサイトは、タイ語、英語、日本語の複数の言語で構成されることが多いです。この場合、タイ語を話すユーザーが誤って日本語ページに流入してしまったり、想定外の国からアクセスが集まったりすることで、アクセス数は増えても成果に繋がらない「ズレ」が生じがちです。GA4を使えば、言語や国別の流入データを精査し、狙い通りのターゲットに記事が届いているかを検証できます。
GA4で分かること(SEOで使うところだけ)
GA4には膨大な機能がありますが、SEO担当者が日常の運用で特に注視すべきポイントは大きく分けて4つあります。
①流入の内訳(どこから来ているか)
サイトを訪れたユーザーの流入元を確認します。自然検索(Organic Search)だけでなく、リスティング広告、SNS、他サイトからのリンク、直接流入などを比較することで、SEOが他の集客施策と比べてどの程度のシェアを占めているかを把握できます。
②ランディングページ(どのページから入ってきたか)
ユーザーが最初に接触したページを特定します。どの記事がSEOの入り口として機能しているかを知ることで、リライトすべき優先順位や、新たに作成すべきコンテンツのヒントを得ることができます。
③ユーザー行動(ちゃんと読まれているか)
ページに滞在した時間(エンゲージメント時間)や、ページをどの程度下までスクロールしたか、その後にどのページへ移動したかを確認します。これにより、コンテンツがユーザーの検索意図を満たしているか、あるいは途中で飽きられて離脱されているかを判断できます。
④コンバージョン(成果:予約・問い合わせ)
SEOの本当の成功は、アクセスの多さではなく、ビジネス上の成果で判断すべきです。タイでの実務においては、LINE公式アカウントへの友だち追加、電話番号のタップ、予約フォームの送信といった具体的なアクションがどれだけ発生したかを計測することが不可欠です。
タイSEOでまず設定すべきGA4の「コンバージョン」
コンバージョンの設定が不十分なサイトは、SEOの良し悪しを正しく評価できません。タイのビジネス習慣に合わせた設定を行うことが重要です。
代表的なCV例(業種別)
飲食業であれば予約ボタンのクリックや地図のタップ、美容関連ならLINE追加や予約フォームの送信、クリニックでは診療予約や問い合わせが主な成果指標となります。不動産業では内見申し込みや資料請求、ECサイトであれば商品の購入やカートへの追加がコンバージョンに該当します。自社のビジネスモデルに合わせ、何が「成果」であるかを定義する必要があります。
よくある落とし穴
「アクセスが昨対比で150%になった」と喜んでいても、コンバージョンが設定されていなければ、それが売上に寄与しているのかは不明なままです。特にタイでは問い合わせの主戦場がLINEであるため、LINE登録ボタンのクリック計測を怠っていると、SEOの真の価値を見落としてしまうことになります。
タイSEO担当者がGA4で最初に見るべきレポート5つ
実務で迷わないために、まずは以下の5つのレポートを確認する習慣をつけましょう。
1)集客 > トラフィック獲得(Organicの状況)
自然検索(Organic Search)経由のセッション数やユーザー数の推移を確認します。前月や前年と比較して、SEO施策の効果が数字として表れているかをチェックします。
2)エンゲージメント > ランディングページ
検索流入が多い上位のページを確認します。入口としての役割を果たしているページの中で、成果(コンバージョン)に繋がっているものと、そうでないものを切り分けることで、効率的な改善が可能になります。
3)デバイス別(モバイル問題を炙り出す)
ユーザーのデバイス(モバイル、PC、タブレット)ごとに、エンゲージメント時間や離脱率を比較します。モバイルユーザーの滞在時間が極端に短い場合は、表示速度の遅さやモバイル版のデザイン崩れといったUX上の欠陥を疑うべきです。
4)国・都市別(流入のズレ確認)
アクセスがタイ国内から来ているか、またバンコク中心なのか地方なのかを確認します。日本語ページに日本国内からのアクセスばかりが集まっている場合、タイ在住者向けのSEOとしては狙いがズレている可能性があるため、コンテンツの調整が必要になります。
5)コンバージョン経路(SEOが成果に貢献しているか)
ユーザーが最後にSEO経由で成約したケースだけでなく、初回訪問がSEOで、後に再訪して成約した「アシスト効果」も確認します。SEOが成約のきっかけを作っている場合、その価値を正しく評価することができます。
GA4を使った改善アクション(タイSEOで効くやつ)
データを確認した後は、具体的なサイト改善に繋げることが重要です。
ランディングページ改善(SEO×CVの直結ポイント)
流入が多いページには、ユーザーが次に求める情報を配置します。タイ市場では、料金、場所(BTSやMRTの最寄り駅)、予約方法(LINEや電話)、よくある質問をページ内に明記し、情報を探す手間を省くことで、コンバージョン率を大幅に高めることができます。
記事→サービス導線の見直し
お役立ち記事を読んだ後に、ユーザーが次に何をすべきかを明確に示す必要があります。記事の中盤や末尾に「お問い合わせはこちら」や「LINEで相談する」といったCTA(コール・トゥ・アクション)を設置し、サービスページへの導線を強化します。
離脱が多いページの直し方
離脱が多いページの原因を特定します。ファーストビュー(開いてすぐの画面)に検索意図への答えがない、情報が古い、文字が詰まっていて読みにくい、といった問題が考えられます。GA4で特定した課題ページを、表や図解を用いてリライトすることで、滞在時間を延ばすことができます。
成果が出るページを増やす(勝ちパターン量産)
コンバージョン率が高いページの構成を「勝ちパターン」として分析し、他のページにも横展開します。タイ市場では「比較」「料金」「アクセス方法」「実際の口コミ」が含まれるページの反応が良いため、これらの要素をテンプレート化してコンテンツを拡充していきます。
サーチコンソール(GSC)とGA4はどう使い分ける?
これら二つのツールは補完関係にあります。適切に使い分けることで、分析の精度が上がります。
GSC=検索結果の手前、GA4=サイト内の中身
サーチコンソールは、検索結果での表示回数やクリック率、掲載順位といった「サイトに入る前の動き」を把握するためのものです。一方、GA4は流入後の滞在時間や回遊、コンバージョンといった「サイトの中での動き」を可視化します。
正しい流れ(実務の型)
まずサーチコンソールで、どの検索キーワードやページが伸びているか、あるいは落ちているかを確認します。次に、その変化がGA4上での成果(コンバージョン)にどう影響したかを突き合わせます。この二つの視点を組み合わせることで、順位を上げるべきページと、内容を直すべきページの優先順位が明確になり、効率的な検証サイクルを回せるようになります。
よくある質問(FAQ)
GA4の運用においてよくある疑問についてお答えします。
Q:SEOならGSCだけで十分じゃない?
GSCでは順位やクリック数は分かりますが、流入したユーザーが満足しているか、売上に繋がっているかまでは分かりません。成果を重視するなら、GA4との併用が必須となります。
Q:GA4は難しくて見れない…最低限どこだけ見ればいい?
まずは「集客 > トラフィック獲得」で自然検索の数を確認し、「エンゲージメント > ランディングページ」でどのページが読まれているかをチェックすることから始めてください。これだけでも改善のヒントは十分得られます。
Q:タイ語が読めない場合でも分析できる?
管理画面は日本語で表示されますし、主要な指標は数字で見ることができます。クエリやページタイトルがタイ語の場合は、ブラウザの翻訳機能などを併用することで、十分に分析が可能です。
Q:SEOの成果って何日単位で見るべき?
SEOは反映までに時間がかかるため、日次での一喜一憂は避けるべきです。基本的には28日間(約1ヶ月)単位で前月比較を行い、大きなトレンドを捉えるのが現実的です。
Q:LINE経由のCVはどう追う?
LINEアイコンのボタンをクリックした回数をイベントとして計測するように設定します。これにより、どのページを読んだ人が最もLINE登録に至っているかを分析できるようになります。
【まとめ】日々のデータ確認は欠かさずに
GA4は、タイにおけるSEO施策の「成否」を判断するための究極の診断ツールです。
順位の変動だけに目を向けるのではなく、GA4を通じてユーザーが実際に価値を感じ、行動を起こしているかを確認することが、ビジネスの成長には欠かせません。
タイ特有のモバイル利用率の高さや多言語環境、SNSを挟む複雑な検討プロセスを理解した上で、Organic流入、ランディングページ、デバイス、国別、コンバージョンの5点を重点的にチェックしてください。
データの裏側にあるユーザーの意図を汲み取り、一つずつ改善を重ねることで、タイ市場での競争力を着実に高めていくことができるはずです。

